映画のポスコラ-No.01

「見知らぬ乗客」(Strangers on a Train)
1951年/アメリカ作品

次は、お前の番だぜ。
 恐怖っていうのは、常に平凡な日常の影に隠れているんですよね。
たとえば電車の中。見知らぬ誰かに声をかけられ、おいしい話を持ちかけられたらどうしますか?
アルフレッド・ヒッチコック作品、「見知らぬ乗客」は、
そんなありふれたシチュエーションから始まるのです。
 この物語の主人公は、テニスプレイヤーのガイ・ヘインズ。
故郷に向かう列車の中で、ふと奇妙な男に声をかけられます。「離婚協議中だろ。知ってるぜ。」
その男の名前は、ブルーノ・アンソニー。
ガイの妻が男友達と夜な夜な遊び呆けていること、ガイが上院議院の娘とつきあっていること、
そして離婚協議が難行していること。ブルーノは全て知っていました。
そしてブルーノ自身も、父親のことで悩んでいることを打ち明けます。
そこでブルーノが持ちかけた提案は………「交換殺人しようぜ」……
もちろん、ガイはこの話に取り合わず、失笑しながら目的の駅を降ります。
 しかしある日、ブルーノは本当に、ガイの妻を殺してしまいます。
 困惑するガイに、ブルーノは執拗に迫ってきます。
 「次は、お前の番だぜ」「さあ早く俺の親父を殺ってくれ」「約束はきちっと守れよ」……
ガイはこの狂気から逃れることができるのでしょうか。
また、警察から向けられた、妻殺害の疑惑を晴らすことは…

背筋が凍る、ユーモアの中の恐怖。ヒッチコック監督の演出が冴え渡ります。
テニスの試合会場のシーンでは、観客全員がボールの行方を追い、首を右、左、右、左。
その中でコチラをじっと見つめる一人の男。その目。
賑やかな遊園地を舞台に迫りくる恐怖。
楽しいメリーゴーランドが一気に凶器に変わる瞬間。
分厚くちょっと面白いメガネに映る、奴。
これらの対比が恐怖感をグッと盛り上げます。
こんな恐いシーン、初めて見た。なんて見どころ満載です。
特にクライマックスにかけての盛り上がりは、映画の王道を行く演出ですね。
ヒッチコック、恐るべし、です。

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